「5分だ、5分だけは待つ。ただ5分を過ぎたら面倒は見ない」
昼は整備士。夜は強盗を確実に逃走させる強盗専用のフリードライヴァー。
「銃は持たない。運転だけだ」
くぅ・・・、なんだこいつは。かっこいい・・・。
今回は2011年公開のアメリカ映画『ドライヴ』。
監督は今作まで日本では無名だったニコラス・ウィンディング・レフン。
主役は『L.A. ギャング ストーリー』でエマ・ストーン演じるギャングの女と恋に落ちた若手刑事を演じた
ライアン・ゴズリング!(サル顔界の最強イケメン!)
そして、ヒロインは『華麗なるギャツビー』でギャツビーが愛し続けた女性デイジーを演じた
キャリー・マリガン!(タレ目が最高!)
本作品、一言で言うと全体的に「魅せる映画」という感じ。
主人公の人生背景やキャラ設定についてはほとんど語られず、あえて少なめにされている。
主人公は強盗専門のドライヴァーという点以外は、特徴的な設定がない。
凝った設定で勝負しているような映画ではなく、わかりやすい話と魅力的な映像で勝負している!(と思う)
影のあるヒーロの主人公、80年代的な悪者、犠牲者となる人、ヒロイン、
と登場人物の立ち位置がはっきりとしており、
恋したヒロインの家族が犯罪に巻き込まれ、主人公はヒロインに危険が及ばない様に戦う、という話。
繰り返しになるが人物設定・展開はいたってわかりやすくシンプルなのだ。
にもかかわらずこの映画がしびれる作品となっているのは、まずはドライヴシーンがその理由としてあげられる。
冒頭の強盗を車に乗せ逃がすシーン。警察とのチェイスを繰り広げするが、ここが他の派手なハリウッドアクション映画とは異なり、大袈裟すぎない。単に爆走して力づくで逃げ切るのではなく、路地を熟知し、エンジン音やライトなどを巧みに制御し逃げる。いや、逃げるというより、”かわす”と言った方が適切かもしれない。それが妙にリアルなのだ。
また、他の映画のチェイスシーンは逃げている車、追っている車を外から撮っているシーンが多いイメージだが、本作は車内の運転シーンも結構多い。
強盗が盗みを終えるのを待っている時の車内の待ち姿、ドアの開け閉め、ハンドルさばき、ギア操作、カーステレオ操作、それぞれがいちいちかっこよく、演出に細かくこだわっているのがわかる。『ドライヴ』というタイトルだけあって車内シーンは熱い!
また、何気ないシーンから醸しだされる雰囲気も素晴らしかった。
街の夜景、昼下がりの温和な空気感、わずかな走行音だけしかしない車の中の静けさなど、それぞれからくっきりと雰囲気が伝わってくる。こういった何気ないところでも”魅せて”くれる。
そして忘れてはならないのが、俳優陣!!
主役のライアン・ゴズリングがクールすぎた…。
超絶運転うまいし、危険なスタントも涼しい顔してこなすし、肉弾戦も強いし、女性と子供に優しいし(というか根は困ってる人をほっとけない感じ)
「いくらなんでもこれは完璧すぎだろう」感もあるが、主人公から感じられる”影がある感”と”孤独な人生歩んできた感”で相殺されているから良しとしよう!笑
ライアン・ゴズリングの抑えた演技は非常に雰囲気があってよかった。
強盗を逃がすドライヴァーをしている時のクールでキレる、プロの仕事人ぷり。
ヒロインやその子供と話している時に見せるどこか悲しげで優しい微笑み(この微笑みから、心に影を持っている人間であることがすごく感じられて、すごくよかった)。
そして殺ると決めたら殺る危険な男ぶり。
これらのギャップがとてもよかった!!
そして、ヒロインのキャリー・マリガン!
ダンスパーティーで出会ったヤンチャな不良男に猛アピールされて結婚し子供にも恵まれるも、
犯罪して捕まったりしている相変わらずな旦那に嫌気が差し、「なんでこんな男と結婚しちゃったんだろう…」的な悩める一児の母役。この人はほんとタレ目が可愛い!ただ『華麗なるギャツビー』の時とは違って、年齢の割にはちょっと人生に疲れている顔にしっかり見せるあたりは流石!
このヒロインを守るために主人公は姿を消し最後の戦いを挑んでいくわけですが……。
ラストまで魅せてくれる映画です!!
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