この映画は、吃音に悩まされる英国王の物語です。
この映画を見ていて、王族の主人公ジョージ(後の英国王)が、自身の吃音をコンプレックスに思っていることには「王族という社会的地位が高い人だって悩みがあるんだ」という意味で、親近感を覚えましたし、少し感動もしました。
この世界を生きてる限り悩みは生まれるし、きっと死ぬまで悩みが0になることはない。だけど、みんななんとか毎日生きてる。そういう風に感じられて、少し生きる活力をもらいました。
また、主人公ジョージと言語療法士ライオネルが吃音を克服するトレーニングをしているシーンは見ものかと思います。
ジョージが下ネタやその他のスラングをバンバン言わされてて笑えます。他にも歌ったり早口言葉言ったりととにかく色々やらされます。
ジョージ役のコリン・ファースも格好いいのに不器用な感じが出ていてとてもいいですね!
一見すると
英国王のスピーチ→王室が舞台→お固い
という風に思いがちですが、確かに序盤にはそうした雰囲気もありますが、この吃音克服トレーニングのシーンぐらいからお固い印象は和らいでいきますね。
「なんだ、普通に笑えるじゃん」と思えます。
なにより、この言語療法士のライオネルというキャラがいいんですよね。
演じるのはジェフリー・ラッシュという俳優です。パイレーツ・オブ・カビリアンの”バルボッサ”役と言ったらわかりやすいかもしれません。
といってもバルボッサとは全然キャラが違います。
ただ、ちょっと通ずるところもありまして。
それは”皮肉っぽくて、でも憎めない”という点。
言語療法士のライオネルは平民なので、当然、王族のジョージとは地位が全然違うんですが、それを飛び越えてガンガン嫌味を言ったりします。にもかかわらず、なんか愛らしい感じがあるんですね。これはジェフリー・ラッシュという俳優の持ち味なのかもしれません。
それとこの映画のテーマのひとつに英国王のジョージと言語療法士ライオネルの身分を超えての友情があります。
2人の出会いはあまりよくないんですが、そこから徐々に関係が深まっていき、途中2人ぶつかりならがも、最後には仲直りしてより絆を深めるという王道な友情展開になっています。
あとは、色々なものを乗り越え、立派にやり切る最後のスピーチシーンはカタルシスがあるんでないでしょうか!
本作は、実話を元にされている話とのことですが、観ていると「本当にこんなことがあったのか!」と少々驚きます。
落ち着いて淡々としている雰囲気もある映画なので、
深夜眠れない時に見たりするのもいいかもしれません。
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