『マリアビートル』
前々回題材にした『ゴールデンスランバー』と同じで伊坂幸太郎作品です。
殺し屋たちが織りなす、2時間半のノンストップエンターテイメント。『ゴールデンスランバー』に負けず劣らずこれまたスピード感溢れるアクションたっぷりのおもしろ小説です!
同じく殺し屋の出てくる小説『グラスホッパー』の続編に一応なってますが、話が独立しているため『マリアビートル』から読んでもまったく問題ないです。
伊坂作品はキャラが魅力的で有名ですが、この『マリアビートル』もご多分に漏れずキャラがイイ!!主人公は一人でなく、新幹線の乗客「木村」「蜜柑&檸檬」「王子」「七尾」の5人!しかも全員が人を殺すことにさほど躊躇がない危険人物!!
これら5人が東京発盛岡着の東北新幹線に乗り合わせ、2時間半の駆け引きを繰り広げるわけですね、はい。
中でも際立つキャラは「王子」。中学生の可愛いらしい外見とは裏腹に悪魔の様なメンタリティーを持ち、頭もすこぶるキレる。また読書家でもあり知識も豊富。自分が可愛いらしい中学生に見えることがわかってるから、その点もしっかり活用する。まあ、相当タチが悪い中学生です。
この「王子」、まさに“悪”って感じのキャラなんですが、鋭く独自の人間観を持ってて、非常に興味深いキャラでもあるんです。ぜひこの本で「王子」の“悪”を感じてほしいですね!
思えば伊坂作品には、“悪”がけっこうでてきます。こういう“悪”を知っておくことって、生きていく上で大事だと個人的に思います。“悪”の存在を知る。それによって“悪”に侵されそうになったとき、または侵されたときの対応を自然に想像するからです。
「怖いな〜。もし、自分にこんなことが起きたらどうしよう」
普段からそう考えておくことが大事なんだと思いました。
最後に、僕は普通に家の中でこの本を読みましたが、もし、これから新幹線でお出かけする人がいたらぜひ「マリアビートル」を旅のお供にすることをオススメします!!新幹線でこの本読んだら臨場感ハンパないはず!!
もしかしたら、隣の車両ですごい事件が起きてるかも?!
参考
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