とても面白かった!!
これ、主人公が一流ボクサーに成長していく話なんですけど、よくある「ボンクラたちの奮起モノ」とは違うんですよね。
この主人公は、ちびっこ時代こそ少年院に入ったりしていましたが、そこで義母に拾われてからは、教育を受けて大学にもいき、現在では金融系の一流と思われる企業で働いているという設定。
そうなんです。全然ボンクラじゃないんですよ!!
一応、本作のあらすじをかいつまんで言うと…
ロッキーの最大のライバルで親友の「アポロ・クリード」はボクシングの試合で死んだ。
数十年後、その男の息子であるアドニスはボクシングに魅せらていた。彼は一流のボクサーを目指すことを決意し父親の最大のライバルであったロッキーのもとを訪れる。当初はアドニスに教えることを断ったロッキーだったが、アドニスのボクシングへの純粋でまっすぐな情熱に、親友のアポロの面影を見て、彼のコーチになることを決める。世間からは親の七光と笑われるアドニスだったが、そうした声を吹き飛ばすべく、ロッキーとともに強敵たちと戦っていく。
とまあ、こんな感じです。
で、まず新鮮だったのが、主人公の初期設定!
序盤で主人公アドニスは、ボクサーになるべくあっさりと今の恵まれた生活(金融系1流企業勤務、豪邸生活など)を手放すんですが、僕はそのとき「え!?こんなあっさり会社辞めて大丈夫か?!お金とかあんの?」と思いました。
しかし、その後すぐにアパートを借り、ボクシングジムに入る(しかも高いコースに入会する)アドニスを見て「こ、こいつ金、貯めてやがった…。計画性もある!!」と思い直しました(貯金シーンとかはないんで完全に僕の想像ですが 笑)。
ますます、通常の「ボンクラの奮起モノ」との違いを実感するシーンでしたね。エリートぽくて計画性もあるしっかりものの成り上がりストーリーだって面白いんだぞ!というこの設定がちょっと新鮮でよかったですね!(この設定はきっと探せば山ほどあるんだろうけど、個人的には新鮮でした)
そして、この序盤を見て思ったもう一つのこと。それは、世間からは羨まれる職業に就いていたり、豪邸に住んでいたりしても、”本人がそれに満たされていなかったらあまり意味はない”ということ。
結局、人は自分がやりたいこと、全身がタギることをしたいし、出来るならばそうするべきだ…と思いました。
ただ、生活していくため、食っていくためにはそればっかりしてられないことだって十分ありえますから、そういった場合を想定して準備しておくこともとても重要だと思いましたね…。
そういう意味では主人公の彼は、クレバーでしたね。ちゃんと一度はサラリーマンやって金貯めて(想像)、その傍らでセミプロボクサーみたいなこともやっていたので。この姿勢は見習いたいですね。
で、次は試合シーンについてですが、本作の試合シーンは圧巻だったと思います。
ボクシングのテレビ中継だと、普通、斜め上から撮られた映像じゃないですか。あれは確かに俯瞰してよく見えるんですが、臨場感はあまり感じられないんですよね…。
ボクシング中継じゃなくて映画だと、例えばリングのロープ際から撮るパターンとか、主人公の主観ショット(カメラの映像=主人公の見えてる視界、みたいな撮り方)といったパターンもあると思いますが、今回のクリードは”レフェリー目線”での撮影でした。
いや、正確にはレフェリーよりももっと選手に接近して撮影してる感じです。これがもう、すごい迫力で、しかも動きが把握しやすい。
主観ショットでの撮影でも、確かに没入感みたいなものはすごいんですが、試合全体の動きが把握しずらいという欠点があります(自分のことを客観的に見れないから)。
そういった意味では、今回のレフェリー目線での撮影は、自分がそのリングの中にいるかの様な臨場感、本当にパンチが飛んできているかの様なライブ感が凄まじく、かつ試合がどう展開されてるかも把握できる、素晴らしい撮り方になってました(と、素人ながらに思う)。
そして、試合での音楽の使い方も燃えました。
有名なあのロッキーのテーマは試合のクライマックスの一瞬しか流れないんですが、でもここしかない!っていうタイミングで流れるんですね。
これはもう鳥肌もんでした!僕が一緒に見に行った相方は号泣(感涙?)してましたから(笑)
ロッキーのテーマは本当に数秒くらいしか流れないんですが、そのさりげなさが
「これはロッキーではなく、クリード・アドニスの話だ!!!でもロッキーの魂も入っているのさ!!!」
まさにそう言わんばかりの演出で、燃えましたねぇ。
あとはなんといっても、シルベスタ・スタローンの醸し出す雰囲気がとてもよかったですね〜。
初見の人でも「あ、おれこのおじさん好きだ…」と思わずにいられない、独特の可愛さがあります。このお方は。
他にも、ちょっと笑っちゃう演出(亀のシーン)とか、激アガり間違いなしのバイク乗り少年達とのランニングシーンとか、もう本当最高でした!!!
今年の最後の最後で、今年ベスト5辺りに食い込んでくる作品と会えるとは…。
正直観る前は全然期待してなかったので、嬉しかったですね(≧▽≦)
未見の方はぜひ。めちゃくちゃおすすめです。
それではみなさん、2015年も本ブログを読んでいただきありがとうございました。2016年もよろしくお願いいたします(来年はもっと頻繁に更新しますね)。
よいお年を〜( ´ ▽ ` )ノ
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