今回は上映中のものではなくDVD作品です。
この映画はイラクを舞台とした戦争映画で、その中でも爆弾処理班にフィーチャーした作品となっています。
この映画、とにかく緊張感がすごい。爆弾処理のシーンは当然「いつ爆発するかわからない」という張り詰めた空気が漂いますが、この映画はそれだけではなく、車の中で何気なく話しているシーンや街を兵士が歩いているシーンなど、作中のどのシーンにも「いつなにが起きるかわからない」という緊張感が満ち満ちています。
映像もドキュメンタリー風の撮影でとてもリアリティーがあります。
ロケ地は中東のクウェートとヨルダンという戦場に極めて近い地域で行われており、観ていて「ここ本当の戦場じゃないのか!?」と思ってしまうほど。
「戦場にいるとこうも気持ちが休まらないのか…」と何度も思ってしまう程、街の様子や雰囲気はリアルです。
ただ、気をつけなきゃいけないのは、いくらリアルといってもこれは映画で、演じているのは役者。
つまりはフィクション。
当然抑えた表現もかなりあるはずで、それは忘れてはならないと思いました。
いくらリアルだからって「戦場を知った気になっちゃいけないな…」と。
ストーリーは一見するとこれといった大きな流れはなく、
日々の危険な任務や基地での何気ないじゃれあいシーンを繋げてあるだけな感じです。
でも(これは映画評論家の町山智浩さんの受け売りになってしまいますが)
見方によっては主人公の戦場での「挫折」、
そしてそれでも”自分は爆弾処理をやるしかない”という「決意」を
一連の流れで描いている様にも見えます。
ただ、そう見るには色々な周辺知識がないとちょっと厳しいというのも確かで
(これもラッパーで映画評論もしている宇多丸さんの意見の受け売りになってしまいますが)、
普通に見てる分には「日常生活に虚無感しか見出せなくなったスリル中毒者の主人公がまたスリルを求めて戦場に行く」といったラストにも全然見えてしまう気がします。ていうか、大体の人はそう受け取る気がする…
(冒頭に「戦争は麻薬だ」っていう文章もでるし)
知識が少ない僕は、ラストについては当然町山さんの様な解釈はできず「一般人からしたら”怖いこと”が、スリル中毒者にしてみれば、かかってる音楽同様、”アガること”として認識されるってことか?!怖っ!!」って思ったくらい…。
色々知識がある人から見れば、もしかしたら正解はあるのかもしれませんが、個人的にはラストの演出は様々な見方ができるなぁ…と思わずにはいられません。
役者陣の方にお話を持っていくと、
主役のジェレミー・レナー、その同僚のアンソニー・マッキーというアベンジャーズコンビはよかったですよ!
(ホークとファルコン)
特に中盤の砂漠での狙撃対決シーンは、主人公の性格が表現されていたし、チームの絆の構築にも繋がっていたシーンだったかと。
ただ、それよりも、個人的にはブライアン・ジェラティ演じるエルドリッッジ技術兵がとてもよかったです↓
だって、ふつう戦場にいったら、たとえ特殊な訓練を乗り越えていたとしても、実際はそうそう精神的に開き直れるもんじゃない!と思いません?!
彼は主人公たちと違って「開き直れないてない部分」が多分にあるんですよ(そこがいい)!
なんていうか、
ふつうこうなるよね!
と思える人なんです。
僕としては一番、感情移入がしやすいキャラでした。
なにはともあれ、爆弾処理シーンは片時も気を抜けないですし、ラストもいろいろな見解にとれますし、おすすめできる作品であることは間違いないです!
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