『アシュラ』は、韓国のノアール映画に分類されるんですかね。
今回はほぼネタバレはしてないです。
『アシュラ』のあらすじ
アンナム市の市長という立場を利用し、利権をむさぼろうと犯罪を繰り返すパク・ソンべ(ファン・ジョンミン)。
刑事のハン・ドギョン(チョン・ウソン)は、末期ガンに侵された妻の治療費稼ぎを理由にその処理を請け負っていた。
市長検挙に燃える検事キム・チャイン(クァク・ドウォン)と検察捜査官ド・チャンハク(チョン・マンシク)は、彼を脅迫して捜査への協力を迫る。
市長と検事たちの間に立たされたドギョンだが……。シネマトゥデイより
『アシュラ』の主人公、登場人物たち
この映画、最初「検事に雇われた主人公の汚職刑事が悪者市長にとりいってく”潜入捜査モノ”か〜。アガるぜ(*´꒳`*)」と思ってたんですが、潜入っぽい行為はするんですが、追い詰められるとあっさり「おれの裏にはキム検事がいるんス((;゚Д゚))!」とゲロったり、主人公がふらふらあっちについたり、こっちについたりを繰り返すんですね。
その”コウモリ野郎ぶり”も最初は「こも戦略か?」と思ったりもしたんですが、どうやらそうではなく、ただ単に「行き当たりばったりで、寝返りまくってるだけ」ということに、観ているとだんだん気づきはじめます。
一本筋の通った行動ではないので、なんていうか、「全然主人公っぽくないなコイツ( ;´Д`)」と戸惑うレベル。
ていうか、「どっちかっていうとしっかり悪人じゃん」っていう感じです(病床の奥さんの看病をしつつ別の女性と外でMake Loveしてるしね…。しかもそれを盗撮されて脅されてるし)。
そもそも、悪者市長、それを捕まえようとする正義っぽい立ち位置の検事(一見すると正義漢だがけっこうゲスい)、主人公の刑事と、全員いいヤツではないんですよね。
後輩の先輩に対する態度が変わっていく様が個人的には好み
主人公刑事の後輩刑事が悪者市長の部下になって、潜入してる先輩刑事よりのし上がっていって、だんだん立場が逆転していくんですが、そのときの後輩の先輩に対する「手のひら返しっぷり」がよかったです。
ちょっと前まで「兄貴〜、本当にすげぇっす!」だったのに、立場が変わると「いつまでも偉そうに上から言ってんじゃねーよ」に豹変という。
↑後輩役のチュ・ジフン
僕は高校時代、野球部だったんですけど高校から野球を始めたのもあって、中学からバリバリやってた後輩に比べると、ぜんぜん上手くなかったんですねヽ(´o`;
そうすると、入部したては無条件に先輩を敬ってた後輩も、だんだんと僕の野球の実力がわかってくるにつれて態度がデカくなっていくという、当時を思い出しましたよ( ̄^ ̄;)
なんかこの感じ万国共通なんだな〜、と興味深かったです( ´_ゝ`)
とはいえ、野球部時代の後輩はなんだかんだみんな気を遣ってくれていい子たちでしたけど(笑)
『アシュラ』は面白かったのか?
こんだけ悪人ばかりの『アシュラ』ですが、じゃあ「つまらなかったのか?」といわれれば、いや、面白かったんですよね(なんなんだよ)。
ようは、ヒーローが活躍したり、非業の死を遂げたりする映画もアガるんですが、それはどっちかというと感情移入してアガってると思うんです。
いわば、ヒーロー本人やその仲間になったつもりで観てアガる、という感じでしょうか。
でも、このアシュラは「全員一貫して悪いヤツ」ということで、感情移入で楽しむのではなく、むしろその真逆の「悪どい世界を客観視する」ことによって楽しめました。
「うわー、ひどいなー。痛そうだなー、あーよかった、映画の中の話で」といった風に。
なんていうか、きつい世界を覗き見してる感じ、というんですかね。漫画『闇金ウシジマくん』を読んでしまうのと似た感覚でした。
ピリッと締まった映画を観たいときはオススメです。雨の日とかに観ると雰囲気でていいですね。
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