『デスウィッシュ』〜過去の名作復讐モノを現代版にややポップにアレンジ〜

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『デスウィッシュ』のざっくり所感

基本、「血」「銃」「ギャング」がでる映画が好物、そしてそれ以上に無類の「復讐モノ」好きな私としては観ないわけにはいかない『デスウィッシュ』。

俗に言う「ヴィジランテ(自警団)モノ」=「街の悪人はおれが処刑する」的なやつですね。ヴィジランテものは『狼よさらば』から繋がる”狼の系譜”でもあります。

でも今回の『デスウィッシュ』、復讐モノなのに比較的「ポップ&軽め」に観られまして、デートムービーでもいけるね(*´꒳`*)ホクホク といった感じでした(グロシーンあるけど)。

『デスウィッシュ』のあらすじ

警察の手に負えない犯罪都市となったシカゴで救急患者を診る外科医ポール・カージー。

ある日、何者かが家族を襲撃。妻は殺され、娘は昏睡状態になってしまう。失意の中、日々を過ごす中で善良な市民が死に、悪人の命を救わねばならいこともある医者という立場にも疑問を感じ始める。そして、犯罪が溢れかえり一向に進まない警察の捜査。この状況に怒りの頂点に達したポールは自ら銃を手に、犯人抹殺のため危険な街へと繰り出し始める。

悪人には、問答無用。復讐をきっかけに街の悪を一掃する“死神”と呼ばれる救世主へと変貌を遂げていく─。外科医から処刑人へと変ぼうをとげる男のハード・リベンジ・アクションが今、幕を開ける!!公式サイトより

幸せな家庭があったのですが、それが犯罪者グループの手によってぶち壊されてしまいます。そんな犯罪者に私的制裁を加えるために主人公は動き出す…というお話。

『デスウィッシュ』の監督・キャスト

スタッフ

  • 監督イーライ・ロス
  • 製作ロジャー・バーンバウム
  • 製作総指揮イロナ・ハーツバーグ
  • 原作ブライアン・ガーフィールド
  • オリジナル脚本ウェンデル・メイズ

キャスト

  • ブルース・ウィリス/ポール・カージー
  • ビンセント・ドノフリオ/フランク・カージー
  • エリザベス・シュー/ルーシー・カージー
  • ディーン・ノリス/レインズ刑事
  • キンバリー・エリス/ジャクソン刑事

『デスウィッシュ』の感想

SNS拡散で一気に世間に広がる復讐魔の存在をどう捉えるか

今の時代、SNSの存在をどうしても意識してしまいます。実社会にこんな復讐魔がいたら一気にSNSで拡散すると思いますが、映画でも一瞬で拡散していました。

動画を撮った人のシェアまでがまあ早い(笑)。

事件現場に刑事がきて動画を観終わり「拡散しないでね」と言うと、撮影した市民は「もう遅い。閲覧数やばいんだよね」とのこと。そこに、諦めたように「いいね…」と返す刑事。このシーンは笑いましたよ(´∀`)ナイスナカエシ

で、SNSの存在があることにより、復讐魔の存在が一気に世の中に広がるんですけど、そこでの世間の反応が二転三転していくのが新鮮でした。

SNS(映画ではニコ生っぽいのもあった)って単なるニュース番組と違って双方向メディアなので、復讐が起きるたびに「世間が復讐魔をどう捉えるか」、捉え方の「揺れ(善なの?悪なの?)」が伝わります。古い作品にはない現代ならではの復讐モノの特徴と言えるのではないでしょうか。

“狼シリーズ”の復讐映画は「作品の中の大衆」だけでなく、「実際に映画を観ている大衆」が「復讐魔をどう捉えるか」もけっこう重大な要素だと思います。作品内、そして実社会の両方でSNSやブログなどで「この主人公ってどうなの?」というのが、マスメディアからの一方通行でなく双方向的に発信されていくのは、面白いことだなと思います。

あと、もともと素人で銃すらまとめに撃ったことのない主人公が、銃の扱い方を学ぶのもYouTubeだったり「実際に今、銃も撃ったことのない復讐魔がいたらこうやってなるよね」と思わせてくれる感じもよかったっす( ̄ー ̄)

そのシーンに関連して、アメリカ文化についてよく知らない私からすると「”銃社会のアメリカ”と言えど、一般市民は人生で一回も銃を撃ったことがない人もたくさんいるんだな〜」というのも感じました。そりゃあ、そうですよね。アメリカといえど普通に生活してたら、滅多に使う機会ないですもんね(´-`)ソリャア

アメリカ映画みてると、ドラッグとかに対する”ダメ度”がいまいちわからなかったりするじゃないですか。いろんな映画でけっこうフランクにギャグっぽく「ドラッグばかりやって!」みたいに語られてたりしますし。

でも、たまにしっかりドラッグに対して厳しい姿勢で描かれてる映画を観ると、「だよね、アメリカだからといって、みんながみんなドラッグは”ちょっとした悪ノリ”って捉えてるわけじゃないよね…(当然だけど)」と思ったり。

要はそこらへんの文化(というか温度感)が実際にアメリカに住んでみないとよくわからない!ってことはドラッグに関わらずよくあるんですけど、今回の「アメリカ人といえど銃の扱い方を知らない人も普通にいる」っていうのもそれと同じで。”アメリカはみんな銃を持ってて、ぶっ放してるイメージ”もあるけど、そんなわけないよね…っていう、超当たり前のことをまたもやしみじみ再認識させて頂いたシーンでした(ということを言いたいにしては長すぎる文章)。

復讐シーンが秀逸

今回は主人公が外科医という設定。それゆえ、体のどこをいじったら人が壊れるかを熟知してるわけですψ(`∇´)ψ

ここで『はじめの一歩』のお医者さんボクサー真田氏を思い出した方も多いのでは?

自分の医者としての知識を活かして、人が壊れる場所を狙うという『はじめの一歩』の真田氏と同様、本作の『デスウィッシュ』の主人公も、車の解体場で犯人グループの一人を拷問する時に「ここを切られると一番痛いんだわ〜( ´△`)ハァ~」とその知識を遺憾なく発揮しますψ(`∇´)ψ

ここのシーンはかなり見応えありました。

 

全体的にポップで軽め

狼系の復讐映画では『狼たちの処刑台』とかも渋くていいですが、やっぱり一番好きなのは『狼の死刑宣告』ですねψ(`∇´)ψ

そういうわけで今回の『デスウィッシュ』とも比べてしまうんですが、『デスウィッシュ』の方がエンタメ要素が強いというか、「話運び」や「主人公の感情の動き」がよりわかりやすく整理されている印象で「観やすい・わかりやすい」感じです。

また、主人公が街のワルを殺した後でもあまり思い詰めないので、映画自体もどことなくポップな感じがしました(笑)

ふつうに朝のニュースで自分の犯した事件が流れてるのをシリアル食べながら満足気に見てましたからね(´∀`;)チョットヒク…

このシリアルシーンを観てたら「最初は家族を殺されて、復讐という決して許されることではないけど、心情的には十分理解できる」と主人公に対して思っていた私も、「うーん、もうヒーロー気取りで殺し楽しんでる節ない?」と思い始めました。

映画観終わった後も、一緒にみた知人と「この主人公…、ダメだよね?!(笑)」と言い合ってました(笑)

まあ、先述した遠おり「主人公の行動に対してどう思うか」、このへんをあーだこーだ話せるのが復讐モノのいいところでもありますからね。

でも、やっぱり最後のバトルシーンでも序盤にギャグで出てた「隠し銃」が実は伏線でした…的な展開もあって笑えたりしたので、シリアス度は比較的高くはないと思います(笑)

個人的にはもっとダークで観終わった後に”ズ〜ン”とくらうくらいが好きなんで、ちょっと軽かったかなという感じはありますが、しっかり復讐してたので、お気に入り映画にはなりました(復讐がありゃあOK)。

レンタルが始まったらまた観てみたいと思います。

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