トム・ハーディ好きの友人に、公開前で友人本人も未見にもかかわらず「『ヴェノム』を観てください」と急に敬語&有無を言わさぬ迫力ですすめられたのでさっそく観てきました(友人よ、お前はトムの広報か)。
結果、個人的にかなりツボな作品だったんで、広報の友人には礼を言わねばなりません(´∀`)
『ヴェノム』のざっくり所感
作品のテンションが思ってた感じと違ってて、面白かったです。もっとダークな雰囲気なのかと思ってましたが(それはそれで好みψ(`∇´)ψ)、意外と笑えてポップです。
『ヴェノム』のあらすじ
ジャーナリストのエディ・ブロック(トム・ハーディ)は、ライフ財団が人体実験を行っており、死者が出ているといううわさを聞きつける。正義感にかられ、真相を突き止めようと調査を始めた彼は被験者と接触したために、地球外生命体のシンビオートに寄生される。シネマトゥデイより
『ヴェノム』スタッフ・キャスト
スタッフ
- 監督 ルーベン・フライシャー
- 製作 アビ・アラド、マット・トルマック、エイミー・パスカル
- 製作総指揮 デビッド・ハウスホルター
監督は『L.A.ギャング ストーリー』や『ゾンビランド』などのルーベン・フライシャー。『L.A.ギャング ストーリー』は観たことがありましたが、ドブのような自身の頭の中をさらってみると「良かったようなあまり印象に無いような、あ、エマ・ストーンが可愛かった」という、なんの役にも立たない印象だけありました(゚∀゚)ツカエナイ
キャスト
- トム・ハーディ/エディ・ブロック/ヴェノム
- ミシェル・ウィリアムズ/アン・ウエイン
- リズ・アーメッド/カールトン・ドレイク
- スコット・ヘイズ/トリース
- リード・スコット/ダン・ルイス
『ヴェノム』の感想
「ヴェノム(venom)」とは英語で「毒・毒素・恨み」などを意味する単語らしいです。毒・毒素という物理的なものの他に、「恨み」という実態のないものも意味することのできるいい単語ですね(´∀`)
ただ正直、そこから連想される「ヴェノム感」はやや薄めな気がしました(´-`)
だからといって「つまらなかったか?」と問われれば全力で「いや、今年ベスト5級に面白かったんスよね」と返答したくなるほど好きではあるんですが(なんなの)。
展開が早くて小気味いい
映画開始10分くらいで「ヴェノム」が寄生型で宿主を転々とできる生命体「シンビオート」(ヴェノムは、あるシンビオートの個人名)であること、主人公エディに弁護士のフィアンセがおり、以前は無職だったが今はジャーナリストとしてバリバリ活躍してることが、非常にテンポよく説明セリフなしで示されていきます。
で、直後にはもう彼女にフラれてもいます。
15分でフラれた(゚∀゚)ハヤー!
私はここでこの映画の展開の速さを実感しはじめます。せっかちすぎて嫌になるくらいせっかちの自分としては、ポンポンポンポン!とほぼ違和感なくストーリーが進むのはとても好みな展開。
この時点で「ヴェノム、素敵やん…」とヴェノムがろくに登場していない時点でお気に入り映画になってました。
もちろん、彼女にフラれる原因となったシーンでは「さすがに取材中ムキになったからと言って出どころが断定されちゃう機密事項を口走らないだろ…」くらいの違和感はありましたし、他にも気になる点がないわけではないですが、スピーディーに状況が変わっていく展開に興味津々(゚∀゚)ツギハツギハ? になっていたのでそこまで気にならず。
ちいさな伏線が聞いてて小気味いい
また、ちょいちょい小さな「セリフの伏線」みたいのがあってそこもよかったです。
序盤の主人公エディが公私ともに充実してるときにいった「この世に不可能はないさ!」というセリフと、最後にヴェノムがいう「おれたちに不可能はない」というセリフのシンクロとか。
ラストの方は物理的にマジで不可能がないレベルになってますからね(笑)
ヴェノムくんが面白い
ヴェノムくんのキャラクターもよかったです。人のこと殺しまくってると思われるし、基本は乱暴なやつなんで善人では決してないんですけど、要所要所「いいやつ臭」を香らせてくるんですよ。
彼女に悪いことしてフラれた主人公は、ずっと謝るタイミングがなく、やっと二人きりになっても今度はなかなか謝る勇気がでない始末。そんな主人公の”背中をそっと押すヴェノムくん”がでてくる車内のシーンとかは本当に最高でした。萌えるレベル。
あとは、ヴェノムくんがじぶんの上司(名前は忘れた)でより能力の高いシンビオートと戦うことを決めた際に、主人公エディが「勝てる確率は?」と聞くと、笑みを浮かべて「たぶん…ゼロψ(`∇´)ψ」と答えたシーンもグッド(´∀`)bイイキャラシテル
ヴェノムのヴェノム感は薄め?
ただ、鑑賞中はヴェノムくんに萌えていたためあまり気になりませんでしたが、観終わった後に思ったのは「ヴェノム(毒素・恨み)」と名乗るからにはもう少し主人公の精神を内部から破壊していってほしかったというか、自分のうちに秘めた「不満・劣等感・恨み・私欲」などをヴェノムが増幅していって暴走する展開がほしかったなあ…という気はします。
「侵されていく」感じが少なかったですね。
ラストの展開だって、ヴェノムが単に「少し気が荒い同居人」くらいになってしまっているので、「なんか根はいいやつじゃん」みたいになってしまい、悪役ではなくヒーローポジションなんですよね。
サム・ライミ版の『スパイダーマン3』にでてくる「ヴェノム」は、(主人公はスパイダーマンでその悪役という立ち位置だからではあるものの)もっと「ヴェノムによる人の黒い部分の増幅」が描かれてて「”ヴェノム(毒素・恨み)”とはよく言ったもんだ( ̄ー ̄)」という感じがしたので。
いまこの文章を書いてて、「いや、今回の『ヴェノム』だって敵役のあいつ(ドレイクという名の悪い社長)に寄生した方は、「人の黒い部分を増幅してたじゃないか!」と自分で自分にツッこんだのですが、でもあれもよく考えてみれば「宿主のドレイク」はもともと悪いやつで、寄生されたからといって悪い度はあまり変わってないし、ゆえに増幅されたと感じもしない気がします(いや、誰も何も言ってないよ)。
最近のMCU作品のシリアス展開とは逆のコメディ度ちょい増し展開がよかった
※↑ここはギャグシーンではないです
今回の『ヴェノム』もマーベル作品ではありますが、マーベルスタジオの作る『アベンジャーズ』でおなじみ「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」とは切り離された、ソニーピクチャーズが手がける「SMU(ソニーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクターズ)」になります(SUMじゃないの?)。
今後ソニー系はソニー系作品同士の世界でクロスオーバーしていくっぽく「複雑化するなー」という懸念はありますがそれはひとまず置いといて、今回のSMU初の『ヴェノム』は明るく作ってあったのがよかったですね。
最近のMCUは、個人的にはシリアスになりすぎてて「もう少し明るく楽しく行こうよ(´∀`;)ハハハ」と言う感じが否めなかったので(とはいっても『アントマン』『スパイダーマン ホームカミング』とか単独作品は明るいのもあるけど)、今回のようにコメディ要素もある作品はとても好感がもてました。
ただ、MCUも一作目の『アイアンマン』はコメディ度高くて明るかったのにクロスオーバーすればするとほどシリアスになっていったので、SMUもまだわからないですけどね…(´∀`;)
関連作品
ヴェノムのでてくるサム・ライミ版『スパイダーマン3』。
サム・ライミ版『スパイダーマン』は「2」が評判がいいですが、私は「3」もとても好きです。スパイダーマンがヴェノムに感染、その後は別の人物にヴェノムが感染して敵に、でもメインの敵はサンドマンっていうのがいて…、と内容がモリモリなところが好みの分かれるところですかね…(´∀`)
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