『オーシャンズ8』の好き度
ジョージ・クルーニーの『オーシャンズ11』から始まったシリーズの第4弾です。ただし、今回はこれまでの「オーシャンズシリーズ」と世界は同じものの、主要キャストはすべて違って、全員女性だけのチーム編成になっています。
オーシャンズシリーズは、「事前に緻密な調査・計画を立て、ターゲットのお宝をチームワークを活かして盗み取る」といった、“ケイパー”もの(caper=悪ふざけ・犯罪の意)の代表作です。
個人的にジョージ・クルーニー主演の『オーシャンズ』シリーズ(11、12、13まである)は、相当好きな作品でして(´∀`)最初観たときは「なんだこの出来レース感のある映画は…」とネガティブな印象だったんですが、なぜか何度も何度も見返えしてるんですよ、これまでに。
なんででしょうか、この映画に漂う「スマートさ」「優雅さ」どのキャラも内面は意外と熱いんだけど表面的にはマジにならないというか、軽妙な雰囲気を常に漂わせてる感じに憧れます。
割といつもテンパっている自分には無い部分なんですよ(;゚Д゚)ウッセ
『オーシャンズ8』のキャスト・スタッフ
キャスト
- サンドラ・ブロック/デビー・オーシャン
- ケイト・ブランシェット/ルー
- アン・ハサウェイ/ダフネ・クルーガー
- ミンディ・カリング/アミータ
- オーク・ワフィナ/コンスタンス
スタッフ
- 監督/ゲイリー・ロス
- 製作/スティーブン・ソダーバーグ/スーザン・イーキンス
- 製作総指揮/マイケル・タドロス/ダイアナ・アルバレス
監督は『ハンガーゲーム』などのゲイリー・ロスですね。
『オーシャンズ8』のあらすじ
仮出所したデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)は、服役中に考えていた犯罪計画を実行しようとする。それは、ニューヨークで開催される世界最大規模のファッションの祭典メットガラに出席する女優ダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ)が身に着ける1億5,000万ドルの宝石を盗み出すというものだった。デビーは旧知の仲のルー・ミラー(ケイト・ブランシェット)を相棒に、ハッカー、スリ、盗品ディーラーらを集めてチームを結成する。
『オーシャンズ8』の感想
今回は監督も違いますが、シリーズ史上最も”オーシャンズしてる”『11』並みにオーシャンズしてました。
これまでと一転して、キャストが全員女性だし、監督もこれまでのシリーズを手がけたスティーブン・ソダーバーグじゃないので、鑑賞前は「ちょっと作風が違うのかなー」と思ってたんですが、まったくそんな事はなかったです。
ていうかむしろ、めっちゃオーシャンズでした。
基本的なオーシャンズシリーズの型をすごくきっちりなぞっていると思います。もっと厳密に言うと、ジョージ・クルーニー版の1作目『オーシャンズ11』の型をなぞった作りでした。
刑務所の出所のための面談から映画が始まる
『オーシャンズ11』と共通して出所の面談シーンから始まります。ここでの面接官からの質問に反省している素ぶりで答えるものの、出所した長後に面接官へ答えた内容とは正反対の行動を取り始める、という所も同じでした。
「反省とかはしない。これが私の(俺の)生きる道なんで(゚∀゚)」と言わんばかりの堂々とした振る舞いには清々しさを覚えましたよ。
『オーシャンズ8』の主人公、サンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンは、ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンの妹なんで、同じ行動をなぞっているシーンでは「やっぱ兄妹だな〜、お兄さんも同じことやってたよ〜(´∀`*)」的な親戚のおじさんが姪っ子をみてるような雰囲気になりました。
主人公にはチームのNo.2の相棒がいる
『オーシャンズ11』にはブラット・ピット演じる”ラスティー”がいるように、『オーシャンズ8』にも主人公デビー・オーシャンには、ケイト・ブランシェット演じる”ルー”といったチームのNo.2の相棒がいます。
この2人が計画の「プロジェクトリーダーと副リーダー」といった立ち位置で、リーダーが大胆な決定をサクサクしていき、副リーダーが他のメンバーを集め指示して、実務的なことを進めていくチーム編成になっています。
実社会でもこの構造のチームって、けっこうテンポよく事が進む気がしますね(´∀`)動くのは優秀な副リーダーで、リーダーはカリスマ性+決断力だけでOK、というか。
計画の動機の根源は異性関係
これもなにげに同じところでして。
『オーシャンズ11』ではジュリア・ロバーツ演じるオーシャンの妻”テス”を取り戻すことがそれで、『オーシャンズ8』は騙された元彼への復讐でした。
もちろん大金を盗むっていう大義名分はあるんですけど、オーシャンにとって、計画の動機の根源は異性関係にあるんですよね(´∀`)なんていうか、個人的にはそこをなぞっていたのも良くて。
オーシャンは表面上は「金のため」に動いてるんですけど、結局「金だけじゃ完全には満たされない感情・欲求があるんだよねψ(`∇´)ψ」っていう人間なんですよ(だけどそれは言わないし、表向きはあくまで”金のため”に動く)。
そのオーシャンの心理に共感できるから、オーシャンズシリーズが好きなのかもしれません(お金好きですが)。
ちなみに、『オーシャンズ11』も『オーシャンズ8』も異性関係が動機って判明するシーンで、No.2と言い合いになる所も同じでしたね(´∀`*)
他にも
他にも、仲間集めのシーンで「ある人材をNo.2(今回はルー。11ではラスティー)は推してるけど、オーシャンは最初は懐疑的」な所だったり。色々と同じところがありました。
これは”様式美”を味わう映画
オーシャンズシリーズは、スマートかつ優雅にオーシャンの完璧な計画が実行されていくのを楽し映画だと思います。
それはオーシャンの人柄とも共通していて、彼女はいつも余裕を浮かべていて決して焦らない。その明晰な頭脳で常に人よりも物事を先読みして、自体を一段高い所から見下ろしてる人間なんです。
だからこの映画では、ピンチや致命的なトラブルなどは起こらないようになっています。
確かに「ピンチが無いのでつまらない」と思う人がいるのもわかります。私が初めて観たときに感じた「出来レース感」はまさにそれで。
でも、この映画はあえてそうしているので、ようは「様式美」を味わう映画なんじゃないかと。「こーで、あーで、こうなって、ああなって、こうなる。うん、いーわー(´∀`*)ホクホク」と完璧にこなされていくプランに酔いしれる感じ。
だからピンチとかあっちゃ逆にダメなんです。どこまでも計算通りじゃないと様式美が生まれないんで。
主人公がラストにマティーニを飲むシーンがこの映画のそうしたテイストを表しているかと思います。シェイカーからカクテルを注ぎ、一口飲む。ひじょうに様式ばった動き。美しいラストでしたね。
余談:お金の使い道について
ちなみに、『オーシャンズ12』では『オーシャンズ11』の時に盗んだ大金の使い道を、ほとんどのメンバーが失敗している描写が出てきますが、『オーシャンズ8』のメンバーは「絶対活きた使い方しそう」って思ったら、ラストでみんなのお金の使い道シーンがありましたね。みんな投資的に使ってて、笑いました。やっぱり、男性より女性の方がしっかりしてますね(´∀`*)カッケ-ッス
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