『哀しき獣』の好き度
いや、もうモリモリな映画でしたね。楽しかったです。ノアール映画を探してて、同じナ・ホンジン監督の『チェイサー』を見つけてすごい面白かったので、『哀しき獣』もどういう話か全く調べず観始めたんですが、負けず劣らず面白かったです。
中盤からはもう退屈するシーンが一切なくて、ビビりなスリルジャンキーな自分には最高でした。
キャスト・スタッフ
キャスト
ハ・ジョンウ
キム・ユンソク
チョ・ソンハ
スタッフ
監督ナ・ホンジン
脚本ナ・ホンジン
撮影イ・ソンジェ
美術イ・ウキョン
編集キム・ソンミン
あらすじ
グナム(ハ・ジョンウ)は、中国延辺朝鮮族自治州でタクシー運転手としてまじめに働いている。だが、妻を韓国に出稼ぎに出した際に作った借金はかさみ、頼みの綱の妻からの送金も連絡さえもすでに途絶えてしまっていた。そんなとき、彼は地元を牛耳る犬商人のミョン(キム・ユンソク)から借金清算の代償としてある条件を出されて……。シネマトゥデイより
『哀しき獣』の感想
話がわかりずらい所多いけど、それでいいです
話はかなり複雑なんですけど、表向きはシンプルに、“依頼された殺人をすれば借金がチャラになる”という話を持ちかけられた主人公のお話で。
ただ、殺人を依頼してきたおっさん、殺人のターゲットの男、その敵対勢力など各方面の思惑が入り乱れ、思いもよらない展開になっていきます。
↓この血だらけの階段にたどり着くと、物語が急展開していきますヽ(´o`;
この映画、アクションがすごいんですけど、ゴア描写も結構しっかりめでして。
特に、殺人ターゲットの親指を切り落とすシーンとか、しっかり切るところ見せてくるのできつかったですねー(´-`)
さっきも言ったように、けっこう話がわかりずらい所があるんですけど、それってこの主人公の状況そのものなんですよね。
何がなんだかわからない、どういう展開かよくわからない、っていう(もちろん、主人公以外の人の視点のシーンもあるから、映画を観ている側の方が状況を理解しやすくはありますけど)、
これと同じ理屈で、アクションシーンのカメラアングルも、かなり揺れるしアップめで撮られてるから、何がなんだかわからない所が多いものの、主人公もアクションのプロとかじゃ全然ないから(元々タクシー運転手)、主人公の気持ちにシンクロできる部分でありました。
アクションシーンが血湧き肉躍ったー
なんといってもアクションシーンが本当、よかったですね。特に警察や敵から逃げ切るシーンが本当に興奮して。
色々な人間から終われる夢をしょっちゅう見る自分としては、「おー、こんなに粘り強く逃るかー」と絶望的な状況でもギリギリで逃げきる、その逃げスタイルに感服いたしました。
先ほども書いたように、ゴア描写キツめのエグいシーンも多いんですが、一方で漫画ぽいアクションもあって。
途中から敵になる主人公に殺しを依頼してきた地元ヤクザたちが、骨つき肉を食べてるんですけど、その骨で相手を撲殺しまくるところとか、え、それであんな人数に勝っちゃうの?っていう(笑)。笑いました。
とにかくアクションが15分に一回くらいのペースでぶちこまれてくるんで、常に手に汗握らせてくれる感じでした。
さびれた地域特有の寒々しさや、暴力につぐ暴力で観ててキツくなる所も多いんですけど、それだけじゃなく血沸くアクションシーンや、現実離れした漫画っぽいシーンもあるから、嫌な気持ちになりすぎず終始楽しんで観られました。ほんといい塩梅。
飯描写
あと、飯描写が良くて。けっして旨そうじゃないし、どっちかというと雑な飯なんですけど、逆にそこがちょっと良くて。思い返すと全部旨そうだったなー、なんて。
俳優のスゴさよ…
役者陣もすごかったですねー(´∀`*)
観終わって知ったんですけど、今回の『悲しき獣』の二人は『チェイサー』の主役と、その相手の犯人役の二人だったんですよね。
↓今回の『哀しき獣』の2人
↓『チェイサー』の2人。下の写真の左の人が上の写真の右の人で、下の写真の右の人が上の写真の左の人
もう全然気づかなかったっす(´∀`;)全く別人にしか見えなくて…。
これだけ別人だと指名手配かけられても逃げられるレベルですよ…。
もちろん、ヘアメイクとかメイクとか衣装とかの効果もでかいんでしょうけど、役者陣の成りきり力すごいなあ、と思った次第です、はい。
関連作品
『哀しき獣』の字幕版。吹き替えもおすすめです。
同じナ・ホンジン監督の連続殺人モノ『チェイサー』。こちらの方がノアール感が強い、かなと。
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