『来る』の好き度
最近はホラー映画が好きになってきたので、積極的に観てます(『来る』はホラーなのか微妙な気もしますが)。
本作は『告白』や『渇き』の中島哲也監督作品。深夜ラジオの「伊集院光の深夜の馬鹿力」でも推してたので気になってました。
もうね、人の悪意がビンビンに味わえる映画でしたよヽ(´o`;
※当サイトは基本ネタバレです。
『来る』のあらすじ
幸せな新婚生活を送る田原秀樹(妻夫木聡)は、勤務先に自分を訪ねて来客があったと聞かされる。取り次いだ後輩によると「チサさんの件で」と話していたというが、それはこれから生まれてくる娘の名前で、自分と妻の香奈(黒木華)しか知らないはずだった。そして訪問者と応対した後輩が亡くなってしまう。2年後、秀樹の周囲でミステリアスな出来事が起こり始め……。シネマトゥデイより
『来る』のキャスト・スタッフ
キャスト
- 監督/中島哲也
- 原作/澤村伊智
- 脚本/中島哲也/岩井秀人/門間宣裕
スタッフ
- 岡田准一/野崎
- 黒木華/田原香奈
- 小松菜奈/比嘉真琴
- 松たか子/比嘉琴子
- 妻夫木/聡田原秀樹
『来る』の感想
大きく3パートに別れてて、妻夫木演じる秀樹パート、黒木華演じる香奈パート、岡田准一演じる野崎パートになってます。
妻夫木パートは嫌なバイブスが一番ビンビン
個人的には、妻夫木演じる秀樹パートは本当に食らいまして。秀樹(妻夫木)は社交的で表面上は誰からも好かれるような人なんですけど、結局、仮面感ていうか、嘘くささ・胡散臭さがすごい伝わってくるタイプなんですよね(´∀`;)
『野ブタをプロデュース』ってドラマ(原作は小説)がありましたが、あれの主人公の修司を思い出しました。外面はいいけど本質的には誰からも慕われていない、空っぽな感じ。
で、なんでこの秀樹(妻夫木)パートに食らったかと言うと、「自分も(あそこまで社交的でもないけど)ちょっと当てはまるな(´ε`;)ウーン…」と思ったからです。
自分は高校生で処世術的なの物を意識し始めて、「その場しのぎで思ってもないこと言ったりする事に抵抗が無くなってきちゃったタイプの人間」なので(ただ、その反動で大学では人づきあいを避け始め、社会人になってちょうど良い塩梅になったが)、ちょっと秀樹イズムがあるんですよね。
まあ、でも私の場合は「胡散臭い自分」に意識的でありましたが、秀樹(妻夫木)はそこに無自覚的でそれが一層厄介なんですよね。
そして、そういう胡散臭さに気づいてる秀樹(妻夫木)の友人(というか知り合い?)は、結婚式とかパーティーでぼそっと呟くわけです。「あいつの回りに人が集まるんじゃなくてあいつが人の集まってるところに来るだけだろ」みたいな、秀樹の本質を突くようなことを。
「うわぁ、いや~なバイブスびんびんに出てるわあw」て感じですごく好きなシーンでしたが、きっと自分もこういう事言われてたのかもなあ、と少し落ちました(´∀` )
↓このカットとか、いい感じで嫌な感じでてますねえ(´∀`;)
黒木華パートが一番キツくて怖い
黒木華演じる香奈パートは、シングルマザーで1人で子どもを育てる大変さとか、香奈(黒木)自身もネグレクトされた経験から子育てに神経質になって疲れてしまうなど、見てて精神的にキツいところがいっぱいありました。
このパートで注目なのが香奈(黒木)が勤めるスーパーマーケットの店長の伊集院光さんで、伊集院さん演じる店長の言うことが、正論で間違ってないんですけど、それゆえに香奈(黒木)をどんどんの追い詰めていって。
子育てや仕事に追い込まれて「もうどうすりゃいいのよ…(´A`。)」となってる香奈(黒木)のどんづまりな状況に一層拍車をかけてました。
あと、純粋にホラー的に怖かったのもこの香奈(黒木)パートでした。唯一ちゃんと幽霊がでてきますしね。ホラー好きの人からしたらライトなホラー描写なんでしょうけど、個人的には軽く夜中のトイレが怖くなるレベルでしたよ(´ヘ`;)
岡田准一パートが一番アガる
ラストの岡田准一演じる野崎パートは、起承転結の転・結の部分でもあり決着がつくパートです。
野崎(岡田)パートで特に良かったのは小松菜奈さんですね。最強霊媒師の松たか子の妹で霊媒師としての力は姉に劣るものの、そこそこ霊感を持ってる設定で。
キャバ嬢役なんですが、スレてなくて妙にピュアで、あとちょっとエロかったところが良かったです(゚∀゚)b
お姉ゃん役の松たか子も、作中で唯一揺らがない無敵な人でかっこよかったですけどね。
クライマックスはお祓いバトルシーンになって、同じくお祓いシーンがある韓国映画の『哭声(コクソン)』をちょっと連想しましたが、
『来る』のお祓いには「コンピューター解析」やら
「女子高生」が出てきて、
祈祷師の数も多いわ、ステージもすごい豪華だわで
とにかく祭り感がすごかったです。
お祓いバトルに出て来る霊媒師・祈祷師の方々(柴田理恵さんはもちろん、新幹線移動→カプセルホテル宿泊という出張中のお父さんよろしくな面々)は、みんな渋くてかっこよかったですね〜。
『来る』ものの正体は「人の悪意」!…ではなかった
本作『来る』は「人の悪意」をたくさん見させられる作品で個人的には大好物な一作でした。
私は「来るもの」の正体は「人の悪意」だと読んで、その「悪意の化身」が「津田(青木崇高演じる秀樹の幼馴染)」であり、「来るもの」の正体=津田だろう?(゜∀゜)ヨメタゼと踏んでいたのですが全く違いましたね(´∀`;)トホホ
一応、最後の結末をざっくり書くと、
「来るもの」の正体は、「子捨て」や「姥捨(うばすて)」があった時代に捨てられた子どもや親たちの怨念で、だからこそ過去に付き合っていた女性に中絶をすすめたことがある岡田准一や、ネグレクト気味にだった秀樹(妻夫木)&香奈(黒木華)夫妻が「来るもの」に襲われた、という事でした。
私が犯人だと踏んでいた津田(青木崇高)は、単に秀樹(妻夫木)と幼なじみでありながら、実は内心ではすごく秀樹を嫌って馬鹿にしており、秀樹のモノを奪い自分のモノにする(本作では秀樹の妻=香奈と不倫する)ことで悦に入る、歪みきった嫌な友人でしかありませんでした(´∀`;)
でも私的には、この映画で津田(青木)が一番ツボなキャラでした。
というのも、仲良しのフリして内心では相手に対する悪意で満ち満ちている、って感じの友人関係って絶対世の中にたくさんあると思うんですよ。そんな仲なら友達やめればいいんですけど「なんとなく腐れ縁」でとか、「孤独になっちゃうからしょうがなく…」とかでたいして好きでもないのに付き合ってる人たち絶対多いはず。自分だってそういう関係性の人がいないと言いきれるかは微妙なところだしヽ(´o`;
でも、私は「津田(青木)」に出会えたおかげで「時には孤独になる勇気を持つことの大事さ」を痛感しましたよ(´∀`;)トホホ
好きじゃないのに独りよりはマシと思って、調子いい感じで人と付き合ってると津田(青木)みたいになっちゃうぞ、と思いました。「ああはなりたくねえ(´ε`;)」と思わせてくれたので、反面教師として心の師にしたいと思います(なにそれ)。
関連作品
中島哲也監督の過去作で、『告白』。これは劇場に観にいって、大島優子が舞台挨拶にきてましたが、当時はまださほどAKBブームになってなく普通に帰ってしまったことで思い出深い作品…(なにそれ)。
小松菜奈の衝撃のデビュー作『渇き』。これも劇場に観に行って、けっこうクラクラして帰った記憶が。
現時点では未見ですが他にも『嫌われ松子の一生』や『下妻物語』『パコと魔法の絵本』も中島哲也監督です。
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