人の気持ちなんて言葉では言い表せない 〜SOSの猿〜

本(books)
スポンサーリンク

伊坂幸太郎の小説『SOSの猿』。

sos_bunko_011

この小説の中にこんな文章が。

 

人の気持ちなんて、本当は一言で言い表せない。そうだろ。文章化できるわけじゃないんだ。

 

よく映画とかを観た後に、自分の気持ちや感じたことを他人に説明していると

頭を回転させて必死に言葉を選んでいるのに

「なんか違う…」「おれの言いたいことはこういう事じゃない」「微妙にニュアンスが違う!」みたいに思う事ってありません?

僕はよくあります。

例えば「理論」みたないものを説明するなら

(十分に理解していれば)使うべき適切な言葉がわかるし、ある程度ちゃんと説明できるけど、感情や感想といった「自分の気持ち」を説明するとなると、急にフィットする言葉がわからなくなってしまう。結果うまく心の中を説明できない。

 

これってなぜなんですかね・・・。

 

今みたいな夏の夕方の空って1、2分のあいだ目を離すとすぐ別の色になってます。

日中は青だったのが薄いオレンジや濃いオレンジ

はたまたピンクゴールドみたいになったり

時にはもくもくと雲がかかって灰色になったりして

いつの間にか濃紺の夜空になってます。

多分「自分の気持ち」、つまり“人の心の中”もそれと同じなんでしょうね。

 

常に動いていて捉えようが無い。

 

「心の中」を説明しようっていうのは、夏の夕方の空の色を説明しようとしている様なもので・・・。

例えばこんな感じ。

 

「今の空の色は何色?」

「オレンジ…。いやあっちの方は薄紫っぽいな、う〜ん。あれ?なんかこっち雨降ってきたし!」的に

 

もはやあっちこっちで“わちゃわちゃ”していて言葉では簡単に表現できない。

僕は今まで自分の心の中を説明できないのは、ボキャブラリー不足とか話下手なんだと思っていました。

だから友人と一緒に映画を観に行っても、感想とかを話すのを少しためらっていました。

だって話してもどーも自分が感じたことを正確に表現できないから。

「違う。おれはこんな浅い感想しか抱かなかったワケではないんだ!(必死)」とか思っちゃって必死に何度も説明し直してました。

でも

そもそも「心で感じたことは、ちゃんと説明できなくて当たり前なんだ!」って思えたらなんか気楽になれました。

毎度、あっさい内容の文章で恐縮ですが、とりあえず今回も気楽に書いてみました。

SOSの猿』。面白くて少し変わってて、人の「心」というのを少し考えてみる小説。

本(books)
スポンサーリンク
フォローする
ざっくり映画メモ

コメント