『天気の子』〜雨描写っていいですよねー〜

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『天気の子』の好き度

『君の名は。』には「全然楽しかったけど、青臭さがちょっとキツいときがあるのはたしか」といった程度の感想しか持っていないし、最近はアニメをそこまで見てないですが、新海誠の新作ということであれば一応チェック!ということで鑑賞してきました。

ジャンクフードが食べくなりました。ビックマックとカップヌードル( ´д`ll)ハァ

『天気の子』のスタッフ・キャスト

スタッフ

  • 監督:新海誠
  • 原作:新海誠
  • 脚本:新海誠
  • 製作:市川南 川口典孝
  • 企画:川村元気
  • プロデュース:川村元気

キャスト

  • 森嶋帆高:醍醐虎汰朗
  • 天野陽菜:森七菜
  • 夏美:本田翼
  • 天野凪:吉柳咲良
  • 安井:平泉成
  • 高井:梶裕貴
  • 冨美:倍賞千恵子
  • 須賀圭介:小栗旬

『天気の子』のあらすじ

(C) 2019「天気の子」製作委員会

異常気象で雨がこれまでにないほど降り続く東京。そこに離島からフェリーに乗って家出をしてきた高1男子の帆高がやってきます。

しかし家出ということもあり金も家も職もない帆高は、当然ながらすぐに困窮。

漫画喫茶やマクドナルドで寝泊まりするもさすがに限界になり、”最後の手段”と思っていた、フェリーで偶然出会った雑誌の下請け業を営む須賀という男を訪ね、なんとかオカルト雑誌のライター職として雇ってもらうことに。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

 

東京での暮らしやライター業にも慣れてきたある日、帆高は雨のなか風俗スカウトマンに連れられた少女を見かけ、以前、新宿・歌舞伎町でたまたま拾った拳銃(!)を使い少女を助けます。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

彼女は陽菜といって、テンパっていたとはいえ風俗スカウトマン相手に拳銃を発砲した帆高に当初はドン引き&ブチギレたものの、落ち込んだ帆高を励まそうと雨が降る空に祈りを捧げます。

すると、なんと雨雲から太陽が射すではありませんか(;´Д`)オォ…

そう、陽菜は祈るだけでどんな雨も晴れにできる「晴れ女」の力を持っていました。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

陽菜には両親がおらず弟・凪と二人だけで暮らしていたこともあり、家出してきた帆高とはすぐに意気投合。陽菜と凪がギリギリの生活を送っていることを知った帆高は、陽菜の能力を使い、雨続きの東京に晴れを届ける「お天気ビジネス」を提案します。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

ビジネスが大成功するも、ある日、陽菜のもとに子どもたちだけの生活を問題視した児童相談所の職員が、そして帆高のもとには拳銃の発砲事件を捜査する警察が訪れます。

離ればなれになることをおそれた帆高と陽菜と凪の3人は、一緒に逃げることを決意。

夏でありながら雪が降るなど東京の異常気象に拍車がかかる中、3人はラブホに泊まりジャンクフードでやりすごし、なんとか夜をしのぎます。

しかし、そのときすでに陽菜の体には異変が起きていました。
体の一部が徐々に透明になっていたのです。

なんと陽菜の力は、最後に晴れ女が生贄(人柱)になることで異常気象を解消するという古来からの伝説「天気の巫女」のそれだったことが判明します。

諦めにも似た哀しみを抱えていた陽菜の横でショックを受ける帆高。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

そして翌日、帆高と凪が起きると、そこには彼女の姿はなく、かわりに東京の空は数カ月ぶりにさんさんと太陽が降り注ぐ晴天になっていました。

そう、陽菜は葛藤しつつも生贄になることを選択したのです。

直後、帆高のもとに警察がきて帆高は捕まり、凪も保護されてしまいます。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

しかし、陽菜を助けたいという思いから2人とも強引に逃げ出し、帆高は陽菜が晴れ女の力を得た鳥居のある廃ビルへと走ります。

陽菜が能力を得たときと同じように、帆高が廃ビルの鳥居をくぐると、積乱雲の上まで上昇。雲の上には横になった陽菜の姿がありました。彼らは遥か天空で再会し、帆高は陽菜を助け出すことに成功します。

しかし、2人が戻るとまた異常気象が戻り、東京には雨が降り続きました。

結局、陽菜は晴れ女の能力を失い帆高は改めて捕まり保護観察処分で地元の離島に戻されます。

陽菜を守れたが、東京に異常気象を戻してしまった帆高は、複雑な思いを抱え高校を卒業するまで東京には戻りませんでした。

時は流れ、大学進学を機に再び上京してきた帆高。

彼は降り続く雨により水没する東京を見て、当時の判断が本当に正しかったのか若干の揺らぎを覚えつつも、陽菜に会うため彼女の家の近くまでやってきます。

すると、そこにはあの日のように雨空に向かって祈りを捧げる陽菜の姿がありました。

能力を失ってもなお、晴れを祈り続ける陽菜の姿を見た帆高は「自分たちの決断は決して間違っていなかった」と信じて生きることを決意し物語は終わります。

『天気の子』の感想

(C)2019「天気の子」製作委員会

本作を見てまず感じたのは

「わあ、絵が綺麗〜(*´艸`*)」

(極限まで浅い感想)。

風景は写実的で“写真ぽい感じ”もありながら、いわゆる“絵っぽい感じ”もところも要所要所でしっかり感じられるバランス。

他にも人物、建物、乗り物、食べ物、植物、ガジェット、空、水、日差しなどいろいろな物の描写が綺麗で見てるだけで心地よかったです。

そもそも自分たちが普段目にしてる光景がアニメの絵になってるのって、それだけで面白いですよね。

天気描写、特に雨シーンがどれもいい

(C) 2019「天気の子」製作委員会

そんな中でもやっぱり“天気描写”は特にすごかったです。とりわけて印象に残ってるのは、いろんなパターンで描かれた”雨描写”。

個人的に実際の天気でも雨の日ってすごい好きでして(っていうとナルシストっぽくて嫌だが)、なんか雨の寒々しい感じとか、濡れて電飾がにじんだ感じとかっていいじゃないですか。街全体がトーンダウンして妙に落ち着きますし。

本作でも雨つづきの東京という設定上、いろんな雨が描かれてます。ぱらつく雨から、土砂降りの雨、朝から薄暗くて長時間振り続けるタイプの雨などなど。

そして色んな”雨”が各シーンの雰囲気を見事に演出してます(これはたまにでてくる”晴れ”でも同じ事が言えますが)。それらを見てると改めて「天気の演出力ってすげえなぁ( ゚д゚)ポカーン」と実感しました。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

何かが始まりそうな力強い豪雨、孤独で追い詰められた時の冷たい雨、物事が前進しはじめたときの晴天、そういう天気描写って観てる側の感情をすごいノセてくれるんですよね。感情移入や没入感の度合いを上げてくれるというか。

「人間って起きてる事態だけでなく、場の環境によっても感情が揺れ動くんだなあ」と、改めて気づかせてもらいました。

街描写、東京描写もいい

(C) 2019「天気の子」製作委員会

天気だけでなく街の描き込みもかなりのものでした。東京生まれなので、やっぱり東京の知ってる街がでてくるとテンションあがるんですよね。「あ、これあそこだ」とか「今度はあそこか」といった具合に。

街ってどんどん変わっていきますからね。東京のように先週まであった建物が翌週にはなくなってるような街だと、こういう映画って見返した時に当時の東京を確認できていいですよね。

同じアニメだと『バケモノの子』とかも東京の渋谷描写がそんな感じでしたね。

ラストの展開

(C) 2019「天気の子」製作委員会

ストーリーは、天気のお話ってのがまず攻めてるけど、特にラストがけっこう思い切った展開だと感じました。が、個人的には全然アリ派でした。

彼らの選択が”道義的にどうか”という視点からも全然アリだと思ったし、それとは別に”映画のラストとしてどうか”という視点でも全然いい、むしろ「こういう展開どんどんやってくれ!」と思いました。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

実はけっこう前々から感じてたことで、たまに友達の映画の感想で「あのラストじゃ主人公が成長してない」とか「自分勝手すぎる」といった事を聞くことがあるんですが、そのたびに思うのが「主人公が成長しない映画があってもよくない?」という事でして(思うだけで言わないけど(;´∀`))。

たしかにご都合主義的な展開の映画を見てうんざりする事もありますが、でもだからといって必ずしもそれが悪いとは言えないわけで。

なんか、いい映画をたくさん見てるとそこに共通する「正しい型」みたいなものにすべて当てはめようとしちゃってる気がするんですよね。

でもそんなルールとかって本来なにもないじゃないですか。

主人公が成長しようが成長しなかろうが、道徳的だろうが非道徳的だろうが全部自由だし、多くの人が正しいと思う終わらせ方にする必要なんて全然ないと思うんです。

だから、本作のラストの展開を見たときも個人的には「おお!!」って感じで好感を持ちました。

キャラクターと声優陣がマッチしてた

(C) 2019「天気の子」製作委員会

キャラクターの方へ話を移すと、声優さんがみんなよかったですよね。

たとえば本作のヒロインの陽菜ってそこまで特徴がある顔立ちじゃないのに、やっぱり可愛くみえるのは声優の力がデカいと思います。

まあ個人的には夏美派ですが(どうでもいいカミングアウト)。

(C) 2019「天気の子」製作委員会

小栗旬の須賀とかもすごいマッチしてましたよね。俳優やタレントが声優やるとその人の顔がチラつく問題もありますが、(本作もチラつきはしたものの)キャラクターの性格と俳優陣のパブリックイメージが意外と合ってたからでしょうか、意外と気にせず見られました(平泉成は100%そのままだったが、あれはあれでよかったと思う)。

気になるところもあるけど

とはいえ『君の名は。』同様に「青臭さすぎてちょっとキツイ…」と思ったり、「主人公がたいした理由なくヒロインから好かれるのはなぜだー( ゚д゚ )クワッ!!」など、気になるところもありました。

仕事&住居がトントン拍子に見つかり、そこにはキレイ&巨乳な先輩が…とかも、(言うと野暮なのはわかるけど)さすがに都合よすぎな感が否めなかったし。

でもまあ、そもそもセカイ系のお話って、若かりし頃に誰もが妄想したような、自分こそがヒーロー・ヒロインになる、自分にとってある種“気持ちのいいお話”のハイグレード版なんだから、都合良かったりしても全然いいのかな、ていうか逆にそうじゃなきゃダメなのか(;´∀`)

まあ、なんだかんだいって結局すごい楽しめたっていうのが本音です(笑)

関連作品

前作『君の名は。』。爆発的人気でしたが個人的には『天気の子』の方が好きです。レンタルなら500円くらいで見れます。

『言の葉の庭』。これも普通に面白かったですが、さすがにちょっと童貞臭が強すぎる気がしました。

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