『ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密』の好き度
『ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密』観てきました(´∀`)
序盤までのクラシカルで型通りの設定とストーリーに「うーん正統派すぎて先が読めちゃう…(´ε`; )」などと生意気にも思っていたのですが、中盤からの「え…ここでネタバラし?」となる意外な展開に面食らい、結局は最後までどうなるか読めなかったというね…。
いやあ、ミステリーモノの楽しみ方としてはこれ以上ない!ってほど満喫させていただきましたよ。
『ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密』のスタッフ・キャスト
スタッフ
- 監督:ライアン・ジョンソン
- 製作:ラム・バーグマン ライアン・ジョンソン
- 製作総指揮:トム・カーノウスキー
- 脚本:ライアン・ジョンソン
キャスト
- ブノワ・ブラン:ダニエル・クレイグ
- ランサム・ドライズデール:クリス・エバンス
- マルタ・カブレラ:アナ・デ・アルマス
- リンダ・ドライズデール:ジェイミー・リー・カーティス
- ウォルト・スロンビー:マイケル・シャノン
- リチャード・ドライズデール:ドン・ジョンソン
- ジョニ・スロンビー:トニ・コレット
- ラエリオット警部補:ラキース・スタンフィード
- メグ・スロンビー:キャサリン・ラングフォード
- ジェイコブ・スロンビー:ジェイデン・マーテル
- アラン・スティーヴンス:フランク・オズ
- ドナ・スロンビー:リキ・リンドホーム
- フラン:エディ・パターソン
- グレート・ナナ・ワネッタ:K・カラン
- ワグナー巡査:ノア・セガン
- ハーラン・スロンビー:クリストファー・プラマー
『ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密』の感想
ミステリーの定番ストーリーでありながら型を崩した部分もある脚本
※本ページの画像はすべて:Motion Picture Artwork (C) 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
ミステリーの定番ジャンル『館モノ』ってやつですね。ミステリージャンルをあまり観てこなかった(読んでこなかった)自分としては、そんなに興味をそそられなかったんですが2020年4月に日本で公開される『007 ノータイム・トゥ・ダイ』のジェームズ・ボンドことダニエル・グレイグと、キューバの諜報員役で出てくるアナ・デ・アルマスがメインキャストに名を連ねていたので、「『007』の前哨戦って事で観てみるかな(´ε` )」な〜んてナメた気持ちで観に行ったのですが、すみません、超面白かったっス。
監督はライアン・ジョンソンということで最近では2017年『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(SW8作目)がありますね。私はライアン・ジョンソン監督作で言うと、2012年の『LOOPER』だけ観たことがあります。
かなり前ですが『LOOPER』を観た当時の浅い感想は「面白いけどなんか複雑な脚本だなあ( ゚д゚)ポカーン」といったもの(浅すぎた)。手のこんだ設定と脚本で頭を使いながら観た記憶があります。
本作はミステリー、『LOOPER』はSFなのでジャンルはぜんぜん違うのですが、脚本が凝っていて、頭を使いながら観させられるという点は同だったと思います(本作はコメディトーン、『LOOPER』はシリアストーンなので雰囲気は全然違うのですが)。
とはいえ、話が複雑すぎるかというと決してそんなことはなくて、凝ってはいたけどかなりわかりやすくまとまっていたという印象です。
私は映画、小説ともにミステリージャンルをあまり見慣れていないこともあり、謎解きの材料になる部分をセリフで描写されると、後半にはすっかりそのセリフを忘れて話がよくわからなくなる事が多々あるんですが、本作は各キャラクターの証言や推理に必要なシーンをどれも回想シーンで視覚的に見せてくれたので、話がバシッと頭に入ってきて整理しながら見られました。
また「富豪の父が死に、金に汚い子どもたちの相続争いになるが、財産は父の唯一の理解者であった若い使用人(今回は看護師)が遺言に従い受け継ぐことになった」というよくある定番ストーリーなのもミステリー初心者としてはとっつきやすくてよかったです。
とはいえ前半こそ、そうした定番と言える正統派ミステリー構造でありながら、後半からは回想シーンで犯人と犯行現場を観客にネラバラシする『古畑任三郎スタイル』に変わっていくので、実は映画全体で見ると定番の型を崩した作りなんですよね。「型を見せてからの、型破り」というか。
そんなこんなで、下手すると飽きることも多い「会話中心の映画」なのに最後まで楽しめましたよ( ´ー`)
豪華キャストが演じる各キャラクターもよかった
本作はキャラクターがとても多いのですが、ただの人数あわせじゃなくてそれぞれの個性がしっかり描かれていたのも良かったです。
例えばアナ・デ・アルマス演じる本作の事実上の主役である館に雇われた看護師マルタ。彼女はどこまでも善人で、ある種の理想化されたキャラクター(しかも若くてきれいな女性って…)でしたが、ラストシーンで自分の財産となった館の2階から、外にいる金に汚い富豪の家族たちを見下ろしながら、MY HOUSEと書かれたマグカップでコーヒーを飲むところなんかは、マルタの善良さ、したたかさ、しぶとさ、すべてが表現されていたと思います(このマグカップは映画冒頭にでてきて「MY RULES MY HOUSE MY COFFEE」と書かれている。善意を貫くマルタの様に自分の信念(ルール)を持ったモノが結局は家(とコーヒー)を手にした、と取れる作りになっている)。
※写真左がアナ・デ・アルマスでアリマス
マルタの嘘をつくと吐いてしまう特殊体質って設定も、下手すると現実離れしすぎてて冷めてしまいますが、本作では”底抜けの善人”というマルタのキャラクターをいい具合に補強してて良かったと思います。
本当ボンドガールとは別人すぎました、アナ・デ・アルマス(;´Д`)女優オソルベシ
ちなみにこちらが『007』でのアナ・デ・アルマスです。
その他、富豪の父親の子どもたちを演じたトニ・コレットやジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソンなども嫌味たっぷりの好演でした。
『へレディタリー 継承』のトニ・コレットは館が似合いますなヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
あと最近は『キャプテン・アメリカ』のイメージが強かったクリス・エバンスのクソ野郎っぷりも新鮮でよかったです!
一方で、ちょっと物足りなかったのは名探偵のブラン役のダニエル・クレイグ。彼はそもそも出番があまりなくクライマックスの謎解きシーン意外はあんまり活躍しないです。もう少し、彼の抜けた感じのコメディ演技が見たかったなあ(´ε` )ナイモノネダリ
まとめ
ミステリーになんとなく苦手意識がありましたが、本作はそうした壁をとっぱらってくれ、さらには「ミステリーってこんな面白いんだ( ゚д゚ )!!」と親しみまでわかせてくれた傑作でした。ミステリーの定番ストーリーを踏襲しつつちゃんとツイストを効かせて高いクオリティーに仕上げた、そんな印象の一本です。
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