『初恋』の好き度
「アウトレイジみたいなシリアスなヤクザ映画キタ…」と思ったら(序盤こそ少しそんな雰囲気もありましたが)実はコメディタッチのエンタメ・ラブストーリーでした。
今回は、知り合いに「観たい映画がある」と誘われ、当初「えー、『初恋』か…」とやや敬遠気味だったのですが、結果はとても楽しめましたヾ(*´∀`*)ノキャッキャ!
一緒に観に行った知り合いはシリアスでリアル路線の映画が好きなこともあり、徐々に強くなるコメディ要素に「いまいち、ノれなかった(;´Д`)!」と言ってましたが、私はかなり好きでしたね。やっぱり自分の感覚や好みだけで観る映画を決めていると、こういう予想外の出会いはないので、人に誘われた映画を観に行ってみるのは大事ですね!
『初恋』のスタッフ・キャスト
スタッフ
- 監督:三池崇史
- 脚本:中村雅
- 企画:紀伊宗之
- プロデュース:紀伊宗之
キャスト
- 葛城レオ:窪田正孝
- 大伴:大森南朋
- 加瀬:染谷将太
- モニカ:小西桜子
- ジュリ:ベッキー
- ヤス:三浦貴大
- チアチー:藤岡麻美
- ワン:顏正國フー:段鈞豪
- みゆき:矢島舞美
- 城島:出合正幸
- 市川:村上淳
- 権藤:内野聖陽
『初恋』のあらすじ
新宿の歌舞伎町。
身寄りのない葛城レオ(窪田正孝)は才能あるプロボクサーだったが、格下の相手に負け、試合後の診察で自身の余命がわずかだと知る。
希望を失い街をうろついていたレオは、ヤクザと関わりのある少女のモニカ(小西桜子)を追っていた悪徳刑事の大伴(大森南朋)を殴り倒し、ヤクザと大伴から追われることになる。シネマトゥデイより
『初恋』の感想
シリアスからコメディ・エンタメ路線へ!そのギャップにアガる
このページの画像はすべて:(C)2020「初恋」製作委員会
この映画を見ていて度々感じるのが「ふざけているのか?マジメなのか?」ということ。
ヒロインのモニカが、父親から性的虐待を受けたうえに、借金のカタとして風俗に売り飛ばされ、薬漬けにもなってしまったというかなりキツく笑えない現在の境遇を語るシーンでも、急にギャグ要素がブッこまれたりします。
いま思うと、序盤の主人公の葛城のボクシングシーンや、余命宣告を受けるあたりなどは重苦しい空気が漂っていますが、ちょうど予告でも使われている大森南朋演じる大伴を葛城が殴ったあたりから、パチっと別のスイッチが入るようなイメージですかね。
序盤の『凶悪』や『冷たい熱帯魚』などの「実録犯罪モノ映画」のような、あるいは漫画『闇金ウシジマくん』のような不穏でいや〜な空気が、いい意味での悪ノリ暴力描写やぶっ飛び展開、派手なアクションなどでスカッと晴れていくような感じというか。
観ている側に「どーやら、こっちの線(コメディ&エンタメ)の映画っぽいな…」というのが、中盤からだんだん伝わってくる感じなんですよね。
リアル&シリアス路線な犯罪映画やヤクザモノが好きな人は、ここで冷めちゃう人もいるかもしれませんが、せっかくなので気持ちを切り替えて、このぶっ飛んだ展開にノッてしまうほうが良いと思います!
終盤からは、『イコライザー』よろしくホームセンターでのバトルロイヤルに変わっていきます。ズラッと並ぶホームセンターの商品棚越しに相手の気配を感じながらジリジリと展開されるバトルシーンは迫力があったし、なによりこのシーンでは、武闘派日本ヤクザの権堂(内野聖陽)と、過去、権堂に腕を切られた隻腕の中国マフィア・ワン(顏正國)とのタイマンが迫力があってよかった。
※個人的にはもう少しホームセンターで売ってるアイテムを使って、その場所ならではのファイトを見たかったのですが、それは無いものねだりですね。
その後の「ヤクザの仁義」的な展開も、ベタッとしすぎずスマートに描かれててよかった!
そして、ラストはまたコメディからちょっと渋い感じにシフトして終わる感じも、ニクかった( ´ー`)
俳優陣、とくに悪役たちが最高だった
窪田正孝の熱のないボクサーっぷりも良かったし、ヒロイン・モニカ役の小西桜子の本当にきつそうな境遇にいる人感も素晴らしかったですが、なによりも本作は悪役陣が軒並みよかったという印象ですね!
日本のヤクザ役の内野聖陽、村上淳、染谷将太、ベッキー。不良警察の大森南朋。中国マフィア陣は全員最高でした。
内野聖陽は『きのう何食べた?』のケンジ役が記憶に新しいこともあり「ケンジ…君に何があったんだ…」と妄想が膨らむくらい迫力満点、超ド級の渋みと迫力でした。
あとは、ベッキーもヤバかったですね。まず普通にヤンキー役がうまいんですよね(笑)「こういうヤカラの女性いそう…」っていう。そして、恋人を殺されてからの狂気に満ちたテンションがほんと最高でした。
そして、色気もすごい。アクションシーンのキメ顔とかが美しいし、かっこいいんですよね。
まとめ
主人公が、ヒロインをヤクザから救出して守り抜く、というお話自体は非常にクラシカルでありながら、実際は新鮮み溢れる映画でとても楽しめました。「邦画はあんまり見ないあ…」と思っている人にこそ見てほしい傑作です!
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