糸井重里監修・ほぼ日刊イトイ新聞編集の『オトナ語の謎。』という本。
これは「小説」でもなければ「エッセイ」でもない。
「辞典」、という感じともちょっと違います。
もう何年も前のことになりますが、社会人になったとき強く感じたこと。
それは、
社会や会社、いや“オトナ達の世界”と言うべきでしょうか、そこは
「知らない言葉で満ちている」
ということ。
まだ社会人になる前、日々の学生生活やバイト生活をしていて
「世の中の言葉で、知らない言葉ってだいぶ減ってきたな」な〜んて思っていたけど、
実際はただの勘違い。
“オトナの世界(社会)”にでたら、本当に様々な言葉に出会いました(今もけっこうな頻度で出会ってますけど)。
そしてそのオトナ達の世界の言葉=オトナ語に出会うたび、あまりの“謎”の多さに面食らいました。
一度も会ったことない人、明らかにこれからお世話になる人にも「お世話になっております」。
とか
なにやら特殊能力的な響きがあるものの、実は単なる“人手”の意味の「マンパワー」。
とか
“五助”や“喜助”みたい江戸時代的な人名かと思ったら、ただの“日程再調整”を指す「リスケ(リスケジュール)」。
とか
一気に質問攻めにあった人がやや得意げになって発する「おれは聖徳太子じゃないんだから」。
とか
「悪くないね(=いいね)」と「悪くはないね(=けど、だめだね)」のニュアンスの違い(平仮名の“は”があるかないかだけなのに!!)
とか・・・。
まあ、この本はこういう“オトナ語”の一個一個に対して説明してくれる、「オトナ語取扱説明書」ってところですかね。
“オトナ語”って社会では当たり前に使われているけど、
この『オトナ語の謎。』という本はその“社会では当たり前に使われている感”を、一歩引いて見てるんです。
一歩引きながら、“オトナ語”の一個一個に独自の見解や(もはやツッコミと言っていい)意見を述べているんです。
それが本当に痛快で読んでてて面白い。
オトナ語を大真面目に使っている自分や周りの人々が
とても滑稽に思えてきます、
そして、オトナ語が普通に使われているこの世の中にも
妙に“愛着”がわくよーな気さえするんです(錯覚かもしれませんが・・・笑)。
なんだか少し飛躍しすぎた感想に聞こえるかもしれませんが、
読んでみてもらえればなんとなく伝わると思います。
最後に、この本を読んでて、
新人の頃、スケジュールの締め切りのことを「ケツ」と言うことに驚いたのを思い出しました。
強面の上司に「ケツはどこだ?」なんて聞かれて、「おれ、なにされんだ?!」って思って、汗が吹き出たのを思い出しました・・・。
では、まあ今回はこの辺で
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