兄弟というのは、難しい関係だと思います。
僕は姉しかいないので、男の兄弟についてはわかりませんが、昔、弟のいる友達と本屋さんにいるときにこんなことがありました。
僕は本屋さんの漫画コーナーをその友人と二人でウロウロしていて、『宇宙兄弟』の一巻を見つけました。
ラメが入っていて、まるでトレーディングカードやビックリマンチョコの「キラ」(キラキラの略)みたいな表紙の漫画だ・・・などと思いました。
そのときまだ宇宙兄弟は3巻くらいまでしか発売されてなくて、映画にもアニメにもなる前だったので、まだ今ほど有名ではなく、僕は知りませんでした。
僕は、宇宙兄弟の表紙を指差して、「この漫画面白そうじゃない?」と友人に言ったのですが、友人は「興味ない」と一刀両断。
バッサリと斬られた僕と友人は本屋をでて、ラーメンを食べに行きました。
背脂系のこってりラーメンを食べた後、どうしても宇宙兄弟が気になってしまっていた僕は、友人と別れた後、本屋に戻って宇宙兄弟の一巻と二巻を買って、家に帰ってすぐ読み始めました。
「おもしれぇ〜・・・」
宇宙飛行士がテーマなんて斬新!しかも、もうひとつのテーマとしてデリケートな兄弟の関係性についても描かれているところが、なんかぐっとくる!(『タッチ』の前半ぽい感じでイイ♪)
僕は、すぐに「興味ない」とバッサリぶった斬ってくれた友人の家に行って、なかば強引に本を貸し付けてやりました。
「面白いから読んでみろ」と。
翌日、その友人から「宇宙兄弟ヤバス・・・続きないの?」とメールが入ってました。
やはりな。ハマると思ったぜ。僕は作戦がうまくハマって、もしかしたら自分のメッセージも届いたかな・・・とも思って嬉しくなりました。
その友人には弟がいますが、実はその弟がめっちゃ優秀なやつで、顔もよくて勉強も出来て運動神経もいいという、それこそ「なんかの漫画のキャラか?」ってタイプの子でした。友人とその弟は兄弟として仲良しではあるけど、兄である友人の方が、少なからず弟にコンプレックス的なものを抱いていることを僕は知っていました。でも、とても優しくて、のんびりしているけど実は頭もキレる、僕の友人だってそういうすごいやつであることも僕は知っていました。
だから、宇宙兄弟は、そいつに「お前だって全然負けてないぞ。」っていうつもりで渡したんです。そのメッセージが伝わっていようと、伝わってなかろうと、きっと何かしら漫画を読んでテンション上がったところはあったと思うので、宇宙兄弟、あの時、買っておいてよかった。
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