『幕が上がる』 〜ももクロってこんな演技うまかったのか!!!〜

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結論から言うと本作品、鑑賞前に誰もが思う、
「これは、下手すると、ただのももクロPVか・・・?」
という一抹の不安を余裕で掻き消してくれます。
ももクロPVなんてとんでもない、演劇部の女子高生が繰り広げる王道だけどもフレッシュ感漂う、ハイクオリティな青春演劇映画となっております。
 
上映から約一ヶ月たっている中、加えて私が観に行ったのはレイトショーだったのですが、劇場の入りはなかなか。しかも年齢層も比較的広めで、ももクロの人気の幅広さが伺えました・・・(ただ、やはり男性が多い)。
 
物語はももクロ演じる弱小演劇部たちが、年に一度しかない演劇大会に負けたところからスタートします。
 
大会に負けてしまい士気が下がっている中、ももクロの赤・百田夏菜子演じる主人公「さおり」は高校生特有の「他者と比べた時の劣等感」や「全力でやりたいことが無い」という点を意識し始め、もんもんとした日々を過ごします(ももクロが演じると、ライトなもんもん感で、重すぎずいい)。
 
そんなある日、正式な稽古場を持っていない演劇部が美術室で練習をしようとしていると、美術の新任教師・吉岡先生が彼女たちの前に現れます。
 
なんとこの吉岡先生が、大学時代「演劇の女王」とまで言われたほどの実力者。
当初演劇部を指導することに抵抗のあったものの、さおりや他の演劇部員達の熱烈コールによりサブコーチとして吉岡先生が指導してくれることになり、物語は一気に推進していきます。
演劇に消極的になりかけていたさおりや部員達の”熱量”が急激に増え、演劇というものに集中しのめり込んでいく。時に自分たちの未熟さを痛感し、時に演劇以外のものを諦めたりもしながら、彼女たちは前に進んでいく。その姿を観ていると、観ているこちらの心も高まっていき、活力が湧いてきます。自分も何かやらなければ!という気持ちにさせてくれます。
 
もう、この時点ですでに「いい映画にあたった!!」という気持ちでした。
 
そしてついに物語はクライマックスへ。
昨年、すぐに敗退となってしまった演劇大会がまたやってきます。
さおり達の演劇部は大会を勝ち進めるのか。
今、彼女たちがすべてを懸けた舞台の、幕が上がる!!!
 
と、すみません、ついつい悦に入ってしまいました。笑(それほどまでに面白い!)
 



やはり見どころは、ももクロの演技力でしょう!
アイドルだからといってナメてると痛い目にあいます。
 
主人公さおり役の百田夏菜子は、表情のバラエティが豊富でとても良かったです。笑った時の表情が魅力的なのはトップアイドルなので当たり前かもしれませんが、悩んでいる時に見せる冷めた顔も雰囲気があってとてもイイ。このギャップが本当にイイ!!
 
また、演劇部のエースでお姫様キャラの「ゆっこ」を演じた玉井詩織も、役柄通りの箱入り娘感をしっかり感じさせてくれています。
 
ムードメーカー「がるる」を演じた高城れに、しっかり者の後輩「明美ちゃん」を演じた佐々木彩夏も、素でそういう性格だとしか思えないほどの自然な演技で驚きます!
 
また、忘れてはならないのが名門演劇部のある高校から転校してきた「中西さん」を演じる有安杏果でしょう。孤高な一匹狼が、仲間になっていく様を雰囲気あるお芝居で見事に演じておりました。
 
気になる点としては、序盤、主人公「さおり」のナレーション(心の声)が多い・・・いや多すぎることでしょうか。
 
「ナレーション、この量でずっといくの?!」と不安もよぎりますが、物語が進むにつれ明らかにナレーションが少なくなって(というか、ほぼ無くなって)いくため、この点は解消されます。
 
このナレーションの減りが、主人公たちの演劇部の成長と反比例していて、彼女たちが成長していけばいくほどナレーションは減っていきます。
 
これがまるで、さおりが演劇にどんどん集中していくことで、もんもんとした悩みが無くなり余計なことを考えなくなったことの示唆にも思えました。
 
またモノノフへのサービスとして、ところどころ、ももクロネタが仕込まれておりますが、それもさりげない感じで良かったです。
 
ただエンディングに「走れ!」が流れてきたときはさすがに驚きましたが…
…なんて言っていますが、正直言うと私はこれまでももクロの曲名どころかメンバーの名前すらよくわかっておりませんでした
そんな私でも観終わったら、すっかりモノノフになってしまうくらいももクロの魅力たっぷりの傑作です。
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